検査一般

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機能等 補足
コルポスコピー 子宮頸癌の検査/内視鏡で子宮頸部を直接拡大観察する。前癌状態でも確認することができる。 診察台に乗って膣を調べるために負担を感じることがある。CT.MRIは腫瘍の体積が有る程度の大きさにならないと確認できないので早期の発見のためには擦過細胞診断、コルポスコピーによる検査になる。ある程度の大きさになるとPET診断も可能になる。
上部消化管レントゲン検査 体位をレントゲン透視台の上で変えることにより胃の内壁にバリウムを万遍なくコーティングして造影する。胃癌などの発見に大きく貢献してきた 微細な病変の形状を調べることが可能であるが胃粘膜の色調などの識別をする事はできない。
マンモグラフィー 放射線検査のため妊婦、妊娠の可能性のある場合などは控えるほうが良い。放射線の被曝量は0.05〜0.15ミリシーベルト/回で自然界では通常の生活でも2.4ミリシーベルト/年でありその量は大きいとはいえません。妊娠などの可能性が無いのであれば、早期発見のメリットとどちらを選択するかになります。

乳がんの手術をした場合は特に乳癌の手術をしていない側の乳房の年一回のマンモグラフィーの検査をガイドラインでは強く勧められている。マンモグラフィーは視診、触診だけの場合より早い段階で乳癌を発見できるという臨床試験での結果が報告されております。

但し乳房温存療法を実施した側の乳房のマンモグラフィーの有用性は証明されていないようです。
この検査でしこりをつくらないタイプの乳癌を発見できるケースが多々あります。又、症状の無い段階での乳癌発見のケースもかなりあります。二枚の透明な板で挟んで圧迫して通常上下、左右一枚ずつ撮影します。小さなしこりだけでなく、しこりになっていない微細な石灰化をも発見できます。(多くは乳腺症の良性ですが2割程度は癌細胞の壊死したものと考えられております。これは乳癌が乳管内に留まっている非浸潤性の癌の可能性が高いといわれております。検査の前にボディ用パウダーは誤診の原因になりうるので使ってはいけません)多くの女性はマンモグラフィーの重要性は認識されていますが、実際に検査を受けている人は全体の20%程度といわれています。
注腸造影検査 大腸を食事制限などで空にしてから.よりバリウムと空気を注入してレントゲン撮影をする。ポリープ、癌の確認をする。 異常が確認されれば大腸内視鏡、生検となる。近年、内視鏡を最初から使用するケースが多い。妊婦などもレントゲン被曝を避ける意味でも内視鏡を優先する。
電子内視鏡 スコープ先端部にCCD(超小型個体撮影素子)が組み込まれ画像を信号変換して映像をモニタリングできる。食道、胃、大腸など粘膜性の病変の直接検査が可能、早期なら内視鏡治療が出来るため患者さんの負担も少ない。 解像度も高いので微小病変の確認も可能、肉眼では確認できない様な病変でも拡大確認できる。胃癌の早期発見率の向上に大きく寄与している。
大腸内視鏡 大腸ポリープの発見にも威力を発揮している。ポリペクトミーという技術で発見の時点でポリープも切除可能、切除細胞が粘膜表層局在であればこの時点で治療完了となる。 ポリペクトミーにより出血や穿孔をきたすことは極めてまれ。危険性は極めて低いといわれています。
NBI内視鏡
narrow band imaging
粘膜表層の毛細血管や粘膜の模様を強調表示させる事で微小病変を検出し、術前病変範囲を明確化させる。青と緑の狭帯域光照射による検査。 直腸癌など低侵襲段階での発見、早期治療や、大腸内視鏡検査として患者さんへの苦痛の軽減に寄与している。
色素内視鏡 食道癌/食道の粘膜に含まれるグリコーゲンと反応するヨードを食道に散布し、ヨード澱粉反応を利用して染色されない食道癌を際立たせるもの。 肉眼では発見し難い初期食道癌発見の端緒となる。微小病巣検出に寄与している。
カプセル内視鏡 小腸を調べる検査法は従来無かったが挿入技術の向上で出来るようになったが、これが可能な施設は限られていた。カプセル内視鏡はちょうけい2.6pのカプセル状の内視鏡で、飲み込めば1秒間に2枚の画像を送信できる。 飲み込んでしまえば通常の生活が可能だが、蠕動運動任せのために観察したい部位に留める事はできない。勿論組織サンプリング、切除などは出来ない。
マンモトーム生検 局所麻酔の後、4〜5o程度の切開傷で微細な石灰化の細胞を確実に採取するステレオガイド下マンモトーム生検があり、マンモグラフィーのように乳房を挟みx線撮影した画像を3次元処理し特定された石灰化の位置を画像を見ながら組織サンプリングできます。
超音波 人間の耳にはき超えない高周波数の超音波を利用する。超音波とは2万ヘルツ以上の高い音波をいいます。(腹部検査350万ヘルツ・体表の甲状腺検査750万ヘルツ) 超音波は放射線被曝の心肺が無く、妊娠の有無や胎児の健康状態などにも使われております。肝臓癌、胆嚢癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳癌などにも用いられております。超音波検査の場合は石灰化を映すことは出来ませんが、指で触れる事の出来ない数ミリの小さなしこりを条件により発見することができます。
ヘリカルCT 回転撮影技術/胸部CTが一回の呼吸停止で撮影可能、ヘリカルはらせんという意味です。らせん状に連続回転させてスキャンし、撮影します。 高速撮影でX線被曝も少なくてすみます。高画質3次元画像です。CTの一般的な注意として造影剤は患者さんの腎機能に問題が無いかを確認しておく必要がある。クレアチニン、BUNを測定して確認する。造影剤は腎臓を障害する性質がある。ヨード造影剤は非イオン性とイオン性があり副作用の少ない非イオン性造影剤が用いられる事が多くなったが、その副作用は即時型と遅延型があり、熱感、蕁麻疹、吐き気、嘔吐、更に呼吸困難、急激な血圧低下、心停止、意識消失など重篤な副作用も極まれにある(1/25000)死亡例は1/400000であった。喘息のある人は発生頻度がやや高い様である。
MDCT
multi-detector CT
多重検出器CT/胸部CT撮影に必要な時間は10sec レントゲンを感知する検出器を数列設備したもので画質が向上し、被曝量は軽減する。血管画像は従来のカテーテルには及ばないが、冠動脈の狭窄の有無も確認できる。バリウムを飲まずに注腸造影の品質に近い画像も撮影できる。ただし、被曝するデメリットはある。
MRi
magnetic resonance
imaging
磁気共鳴画像法/脳、椎間板造影など患者さんには無痛簡便に検査可能、脳腫瘍、脳動脈瘤、子宮体癌などに威力発揮、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌などの検査にも広く使用される。癌は異常増殖の過程で新生血管を作りますが、造影剤を注射することで、それを撮影することにより、癌の広がりあるいは縮小も正確に映し出すことができます。 人体に磁場をかけ、体内水素原子核を共鳴させ画像化する原理で人体を輪切り状に撮影でき3次元画像が得られます。体内に金属が入っている場合はそれを全てはずして検査を受けます。PETの分解能が4o限界とされるのに対してMRIは0.5〜1oと優れている。CTに比し狙った部位の画像しか撮れない、撮影時間が少しかかるなどはあるが放射線被曝が無い。
ガドリニウム造影MRI検査 磁気を利用して人体をあらゆる方向から撮影できる3次元画像技術 乳癌の広がりを確認するために造影剤のガドリニウムを注入して撮影する。ガドリニウム造影MRIとかMRMとも呼ばれる事もあります。造影剤は新生血管という癌細胞に栄養を運ぶために新たに造られた血管からしみだしてくるのでそれを撮影することにより癌細胞の広がりを確認できます。
シンチグラフィー 癌検診で骨への転移を調べる骨シンチグラフィー、悪性リンパ腫診断のガリウムシンチグラフィーなどが知られる。甲状腺、心臓、脳、など様々な臓器検査にも使用される。骨シンチは進行した乳癌や前立腺癌にも使用される。異常の見つかった箇所はCT.MRIで確認する。骨に転移した以外にも骨折、関節炎、骨髄炎でも使用されている。骨シンチは全身の骨のスクリーニングで最も役立つ。骨転移を早期に発見して治療する事で骨折を予防したり痛みを緩和するなどのQOLの向上にも役立つ。 シンチグラフィーに使用するアイソトープ(放射性同位元素)は検査が高感度のため造影剤の使用量が極微量で済む。CTが100mlでその1/200以下ですむ。アイソトープを静注し3〜4時間後にγカメラで撮影する。撮影時間も20分程度で苦痛も無い。骨への転移は血行性の転移であるが破骨性の骨転移で骨の新生が乏しい場合は骨シンチで映らない。造骨性変化の場合は骨の新生が活発で骨シンチに映る(ホットスポットとなる)。
ガリウムシンチは悪性リンパ腫で使用される。ガリウムは炎症巣や腫瘍に集積する。何故腫瘍に集積するのかは解明されていない。(推測はある) アイソトープを静注し2〜3日後に撮影する。撮影時間は30〜45分程度で全身像が確認される。(SPECT/単光子放射型断層撮影)。以前は1〜2方向であったが断層撮影も出来るようになった。病変の検出感度が高いがPETには及ばない。
PET-CT
positron emission
tomography-CT
ポジトロン(陽電子)放出核種と呼ばれ、水や酸素にラベリングできるため生体内の生理物質の分布、動態調査が出来る。PETは高額のため設備されている医療機関は限られており、検査も症例を選択して実施される。

PETは代謝の変化を調べる機能診断で通常の形態診断と異なる。乳房にしこり、肺の異常陰影がある場合で形態だけでは良性、悪性の判断が難しい場合があるが、PETの場合、問題の陰影やしこりの部分のブドウ糖の代謝が高くFDGが集積し、判定するための重要な判断材料を提供できる。診断に用いられるのは@腫瘍の良、悪性の判別、A病期診断(リンパ節・遠隔転移の診断、)B化学、放射線療法の治療効果評価、C腫瘍悪性度、D再発診断、Eその他原発不明癌の検索、癌スクリーニングなど。

PETは高額で検査費用も高く、画像が鮮明ではなく、一日の検査能力に限りがある。PET導入はそのようなデメリットもあるが、反面、全身を撮影でき、癌の転移、病変の位置の確認ができ、CT、MRIなどと組み合わせて検査する事により夫々の利点、欠点を補間しあうことが可能であり、その発見率の向上は期待できると考えられている。
癌細胞の必要とする栄養はブドウ糖で正常細胞の数倍〜十数倍を消費すると考えられている。この糖代謝を調べるのに
FDG(18F-fluorodeoxy glucose)を用いて確認出来る様になった。半減期が110分と短く高エネルギーの放射線を放出するので組織透過性が高く、体外から計測可能となった。PETの感度には限界がある。検出感度分解能は6oであり1.2pの病巣は薄く映る。即ち明瞭ではないので見逃す可能性が出てくる事になります。又腫瘍の体積、癌細胞の密度、FDG不感の癌(ある種の肝臓癌、腎臓癌、前立腺癌)もあります。また、被撮影者が撮影中に動いてしまうとそれだけ集積が薄くなる事、検査不適の部位(脳、心筋、腎盂、尿管、膀胱)もあります。PETは大腸癌、肺癌、乳癌、甲状腺癌、腎癌、胃癌などでは治る可能性の高い段階での発見治療に結びついた実績がありますが、一方で泌尿器癌、腎癌、前立腺癌、膀胱癌、肝臓癌などのPETで映らない癌もあったようです。PETは単独の検査でなくその優れた点を活かして(全身の連続性のある検査)、他の検査と併用する事により発見率は向上しますので望ましいといえます。



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